エフェス①(2011年05月03日)
******一面の気球******
目が覚めて、外へ出たクマが歓声を上げた。 何事かと思って、私も外へでると、驚いた。

空一面の気球 空一面に気球が浮かんでいるのである。 前日は風が強くて、ほとんど気球が飛ばなかったが、 天気がいいとこんなに素晴らしい眺めになるのである。 しばらく、時間を忘れて眺めていた。

さて、この日はエフェスへの移動である。 車で約1時間半の距離にあるカイセリ空港から空路での移動となる。

送迎をお願いしていたバスがやってきたのは裏口。 慌てて、バスへ向かったために、親切にしてくれたホテルの人と十分に別れの挨拶を 済ませることができなかった。 それが心残りである。

******エーゲ海******
さて、空路で到着していたのは、イズミル空港。 そこから、エフェス遺跡のあるセルチュクへ移動することに なるのだが、やや交通の便が悪い。 時間の少ない旅なので、宿泊予定の宿に送迎をお願いしておいた。

約束の時間に少し遅れた送迎の男がすごく陽気だった。 車に乗るなり、歌を歌いだすのである。 しかもなかなかの美声。 朗々と歌っていた。

歌を褒めると、喜んだのか、寄り道をして、パンとチャイをご馳走してくれた。 このパンがパイ生地で、実に美味かった。

エーゲ海 さらに、セルチュクへの道中、エーゲ海が見えて、歓声を上げると、今度は浜へと寄り道。 友人だという猟師の家へと案内してくれた。

こうやって、海を見ると、トルコがかつて地中海を支配した海洋国家だったということを 思い出させてくれる。 が、この日はエフェス遺跡を見学する予定がある。

そのことを伝えて、浜を離れた。 何せ、この男、友人と会って、いつまでもここに居座りそうな勢いだったのである。 相手はトルコ人、察してください、という日本文化が通じる相手ではない、きちんと伝える必要がある。

******ホメロス******
さて、この日宿泊したのは、ホメロスというホテルである。 ホメロスという名は、ギリシア世界において、特別な名である。 紀元前8世紀に生きたとされる吟遊詩人で、 トロイの木馬で有名なトロイア戦争をその著作『オデュッセイア』に詠い、 西洋文学の原点ともいうべき人物の名。

ホメロス 私などは、吟遊詩人と聞けば、ホメロス以外には浮かばない。 その名に惹かれてこのホテルを選んだのである。

が、名前だけでなく、なかなかこのホテルはよかった。 部屋がなかなかお洒落なのである。 ちょこっとメルヘンで、男3人で泊まるにはもったいない(笑)

さて、エフェス遺跡に行くにはセルチュクのオトガル(バスターミナル) からクシャダス行きのドルムシュというミニバスに乗ることになる。

そのオトガルに行くと、静かに客引きをしている人がいた。 この静かに、というのがミソで、こういう人は信用していい気がするのである。 翌日パムッカレに移動するためのバスチケットの値段を聞くと、まずまず適正価格と思われる値段を提示された。 なので、この人からチケットを購入。 こうして、今回の道中唯一交通手段を確保していなかったパムッカレへの移動手段も確保できたわけである。

******エフェソス大劇場******
そうして、いよいよ向かったのがエフェス遺跡である。 道路の途中でバスを降ろされ、そこからは徒歩。 思ったより遠いように感じたが、迷うことなく、入り口に到達できた。

この遺跡、かつてエフェソスと呼ばれ、アレクサンドロス大王の時代から共和制ローマ時代まで、 湾岸都市として大いに栄えた都市の遺跡である。 クレオパトラの恋人アントニウスの根拠地としても知られる。

エフェソス大劇場 紀元前の頃に栄えた都市の遺跡だけあって、この遺跡は素晴らしかった。 ギリシアやローマの遺跡を見たことはないが、果たしてこれほどの保存状態に恵まれた遺跡が他に あるのだろうか?と思ってしまう。

さて、入ってすぐに大劇場を見ることになる。 これがまた素晴らしい。

建設はヘレニズム時代というから、紀元前300年頃、アレクサンドロス大王の時代。 それからローマ時代に拡張されたというが、建設は卑弥呼より600年ほど前なのである。 トルコの歴史のなんと偉大なことか。

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