******メルク******
朝、荷物を持って、ユースホステルを出ました。
というのも、この日は今回の旅で
唯一のホテル泊を予定していて、
要するに宿を移るためです。
が、チェックインには早いですので、荷物はウィーン西駅の
コインロッカーに置いておきました。
目的地はメルク。
世界遺産にも登録されているヴァッハウ渓谷のクルーズ出発点です。
ウィーン西駅から1時間強で着いたその町は、
丘の上に建つ修道院が美しい小さな町でした。
お祭でもやっていたのか、通りで演奏していたり、
子供向けのちょっとしたゲームをやっていたりと賑やかで、
これからクルーズに参加しようという旅の気分を盛り上げてくれました。
クルーズの時間が分からないので少し散策をして、
船のほうへ向かいましたが、時間があればゆっくり観光してみたい
町でした。
船のチケットを買うと、今まさに出航するよと言われ、
慌てて船へと乗り込みました。
******ヴァッハウ渓谷クルーズ******
今回の旅の目的の一つがドナウを見ること。
ヨハン・シュトラウス
『美しく青きドナウ』を連想するためか、
『ドナウ』という言葉の響きがそうさせるのか、
ヨーロッパらしい川のような気がしていたんですね。
いろんな場所から、ドナウを見ようと決めていました。
ここヴァッハウ渓谷で初めてドナウを見たことになります。
(実を言えば、ウィーンに着いた日に鉄道でドナウを渡っているのですが、
残念ながら夜中のため全く見えませんでした。)
さて、私の勝手な偏見で、大平野を
滔々と流れる姿に
ドナウのイメージを重ねていました。
当然ながら、ここは渓谷。
イメージから遠い姿に、
自分勝手な失望をしてしまいました。
それに渓谷ですので、日陰になることが多く、
風も強いので、あまりの寒さについに甲板から逃げ出してしまいました。
室内で、優雅にワイン。
これも若干当初のイメージと違ってしまいましたが、、、
それでも、ワイン片手に窓から景色を楽しみました。
途中のデュルンシュタインは特に美しく、
このクルーズのハイライトといっていいでしょう。
******クレムス******
クルーズの終着地がクレムスです。
急に視界が開けて、街が広がっているのが見えると、そこがクレムスです。
このクレムスが見えたときに、あぁ、これこそ想像していたドナウだと
ちょこっと感動しました。
クレムスのメインストリートのカフェのテラスでお昼を食べました。
ウィーンの物価の高さに泣いていましたが、
クレムスはそんなことはなかったです。
やはりウィーンが高いんですね。
サンドウィッチにアインシュペナーというコーヒーで
昼食にしました。
決して大きな街ではないですが、それでもヴァッハウ渓谷の中では
最大の街でしょう。
ウィーンのような派手さはないですが、
古い街らしく綺麗な街並みでした。
******コンサート******
鉄道でウィーンへ戻って、さっそくホテルへ向かいました。
先にも書きましたが、今回の旅でたった一度のホテル泊です。
『アストリア』という
クラシックホテルで、
ウィーンらしい雰囲気のちょっと贅沢なホテルです。
ホテルに荷物を置いて、ウィーンの中心地を適当にぶらぶらと
散策しました。
ウィーンは建物が豪華さを競い合っているようで、
好きになれないなぁ、とも思っていたのですが、
そういう有名な建物の辺りにさえ行かなければ綺麗な街並みを
楽しめますね。
この散策はかなり楽しいものでした。
カフェで軽くビールと夕食をとって、いよいよ楽友協会へ。
いうまでもなく、ウィーンフィルの本拠地。
こんな有名な建物でコンサートを聴けるとは本当に感激です。
とはいっても、ウィーンフィルの演奏ではなく、
観光客向けのモーツアルト・コンサートというもので、
演奏者がモーツアルト時代の衣装で演奏する、というものです。
観光客が多いため、聴衆のマナーが悪い
のが残念でした。
演奏中に席を立つ音、遠慮のない咳の音、話し声。
それさえ目をつぶれば、有名な曲の演奏だけでなく、
オペラの一場面の演出まであって楽しませてもらいました。
お客さんに手拍子を促してみたりと、楽しませるための
演出は盛りだくさんでした。
気軽にボリュームたっぷり名曲を楽しむには最適だったと思います。
ただ、それでもやっぱりウィーンは正装して、
少々高いお金を払っても格式ある音楽を聴くのが似合う街です。
もし、次回があれば、今度はそうしたいものです。