アンコールトム②(2013年05月04日)
******動物の神々******
バイヨンを後にすると、バプーオン、王宮、ピミアナカスと向かいました。
ピミアナカスには、面白い伝説があるので紹介しておきましょう。ピミアナカスには毎晩、ナーガという蛇神の化身が女性の姿で現れ、クメール王はお妃と寝る前に、 そのナーガの化身と寝なければならなかったとか。 妄想を広げれば、ナーガの化身とは絶大な権力を持った巫女さんではなかったかと思うのですがどうでしょうか。 いずれにせよ、クメール王朝が如何にナーガを信仰していたかという証のように思います。 ところで、カンボジアの人はナーガという蛇神が好きですね。 クメール王国の建国伝説にもナーガが登場します。 インドからやってきた王子がナーガの娘と結婚して、国を建てたと伝えられています。
ピミアナカスから東へ戻ると、象のテラスがあります。 このテラスはその名の通り、象の彫刻が彫られており、それらの象がテラスを支えているのですが、 象以外の動物達も数多くいます。それらの動物達を紹介する前に、少々足を戻して、 アンコールトムの門の前に鎮座するシンハを紹介しておきましょう。 タイのシンハービールで既に有名ですが、要するにライオンです。 日本における狛犬のように、寺院の門前に鎮座しています。 彼らがまた可愛らしい。特に妻はお気に入りのようでした。
左の写真の、くちばしがあるほうがガルーダですね。 そして、その隣にいるのが、ガジャシンハ。 ガルーダとシンハのあいのこ、それでガジャシンハです。 実に分かりやすいですね。 ガルーダは蛇神ナーガの天敵。 ナーガ信仰著しいカンボジアにあって、ガルーダも信仰されているというのは 不思議ですが、このあたり、やおよろずの神々が信仰される日本に通じるものがある気がしますね。
******ライ王のテラス******
さらに奥に進んだところにあるのがライ王のテラスです。このライ王にも面白い伝説があります。 アンコールトムのバイヨンにライ王の壁画がありますが、これは義理の父親である蛇王を殺し、 その返り血を浴びてライ病にかかってしまうというお話。 蛇王ナーガの娘を妻としたといえば、クメール建国伝説に登場するインドの王子を思い出します。 伝説には何かしらの歴史的事実が隠れていると、私はつい想像したくなります。 日本で、菅原道真公が左遷されたあと、彼を追い落とした藤原氏に次々不幸が襲い、道真公の祟り だと畏れられたという事実に似ている気がします。 とすれば、地元の有力者の娘を妻に迎えることでクメール王として即位したインドの王子が、 権力を握ってみれば、その有力者が邪魔になって殺したところ変死したというストーリーを 想像したくなりますが、どうでしょうか。
話がだいぶ逸れましたが、テラスの上には、ライ王像が置かれています。 本物はプノンペンの国立博物館にあり、こちらはレプリカらしいですが。 この像がライ王と呼ばれるのは、苔むす様子がライ病を連想させ、先に書いたライ王伝説を 思い起こさせたから、と言われています。 もっとも、実際には閻魔様の像だとされているようです。 確かによく見ると、牙のようなものが見えなくもありません。
******昼食******
さて、ライ王のテラスから降りると、トゥクトゥクのドライバーのお兄さんが私達を見つけてくれました。
木陰とはいえ暑いなか、私達が出てくるのを待っていてくれたわけですから、頭が下がります。そして、水を飲むか?と言ってペットボトルを取り出してきましたた。 こういうときは危ない、ぼったくられる危険が、、とつい警戒してしまうのは私の警戒心が強すぎるの かもしれません。なんと無料でした。つくづく素晴らしいサービスです。
何か分からずに頼むのは、旅先の私の癖ですが、この日もその例に漏れません。 適当に頼んだ中でもお気に入りは、左の写真の料理。 名前を忘れてしまいましたが、独特のスパイスがきいたスープで、なかなか美味しかったです。 一方で、生春巻きはベトナムで痛い目にあったので、乗り気でなかったのです。 が、妻は是非食べたい、と。香草がきついよ、と警告したものの、注文。 結果は、、やっぱり妻は食べられず、でした。 まあ、食べたくなる気持ちは私もよく分かります。 インドシナは生春巻きのイメージが強いですからね。 でも、日本で食べるものとは香草のきつさが違います。
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