******下調べ******
結婚式の準備もようやく落ち着き始めた8月。
そろそろ
新婚旅行の行き先を考えようと、旅行会社でパンフレットをごっそりもらってきた。
ところで、旅行記を読んでいる方はお察しのことと思いますが、私はツアー旅行というものが嫌いなのです。
新婚旅行でも個人旅行のスタイルで行きたいというのが私の我がままで、ありがたいことに、それを我が
愛すべき妻は快諾してくれました。
いや、これは私に気を遣ってのことかもしれないが、ともあれYESの答えをもらったわけです。
そうなると、俄然、下調べのやる気も満ちてくるというものです。
よし!それでは行き先はどこにしようか、と。
行ってみたい国はやまほどあるわけで、
クロアチア、ウズベキスタン、バルト三国、、、と列挙した国がいずれも却下されて、
最後に残った国がスペイン。
そう。情熱の国スペイン。
赤土の上に白い風車が回り、その横を剣を下げた騎士ドンキホーテが馬を駆る。
水平線の上には幾艘もの帆船が浮かび、港にはコロンブスが対岸のアフリカ大陸を眺める。
昼間には灼熱の太陽の下、闘牛に熱中し、夜にはフラメンコとシェリー酒に楽しむ。
地中海の風に乗ってオリーブが香り、大西洋の風は異国情緒のメロディーを奏でるのである。
失礼。少々筆が暴走してしまいました。話を戻しましょう。
この憧れの国に行くことに賛同してくれるならば、私としても否やはなかったわけです。
もっとも、妻はガウディなる建築家に興味があるらしく、私のようにスペインといえばアンダルシアだと短絡的な考えとは
少々違ったようですが、それは両方を楽しめるようにすればいい話で、大した問題ではない。
******準備******
さて、これまでの私のスタイルのように、航空券だけ手配して、現地の交通手段は現地で、というスタイルでは
さすがに不安に感じさせてしまうだろう、と。
とはいえ、日程は自由に決めたいわけです。
そこで思いついたのが、カスタムツアー。
旅工房という旅行会社に頼んで、独自のツアーを組んでもらいました。
ツアーといっても、航空券と現地の鉄道チケットの手配をお願いしただけですが、
実に上手く、且つ良心的な値段でツアーを組んで頂けました。
ありがたい限りです。
このあたり、大手より、こういう少し小さめの旅行会社のほうが融通が利いていいですね。
******出発******
そうして、結婚式も終わって、一息をついた10月。
待ちに待ったスペインへと旅立ったわけです。
搭乗機はKLMオランダ航空。
成田からアムステルダムを経由して、マドリッドへ。
23時をまわっての到着でした。
日本から予約していったホテルはアグマールホテル(Agumar)というアトーチャ駅すぐという立地
なのですが、さすがにこの深夜に異国の地下鉄に乗るのは勇気がいります。
一目散にタクシーへと乗り込みました。
噂どおり、英語は通じない様子でしたが、地図と一緒にホテルの名前を見せ、
且つアトーチャ駅の近くだと言うと何とか通じたようで、見事にホテルの前へ到着。
ついに日付も変わっての到着で、ベッドに倒れこむと、二人してあっという間に眠りに
ついたのでした。