碑林博物館、清真大寺、出国(2010年7月19日)
******碑林博物館******
この日、チェックアウトをして向かったのが、碑林博物館。 石碑が林立しているから、碑林。

碑林博物館 正面に玄宗皇帝の筆(?)によるという石碑が建っています。

さらに置くに進むと、顔真卿や王義之といった吊筆家の筆跡が刻まれた石碑があったりと、 もう盛りだくさんです。 また、内容も『春秋』が多く、宮城谷昌光さんのファンである私にとっては、 知っている内容らしき文章があちこちにみられ、それもまた、興味深い。

中には、李斯の筆というものまでありました。 李斯といえば、秦の始皇帝の時代の宰相。 2000年以上前の人物である。 物はさすがに複製で、宋の時代に複製されたものだとか。 それでも、2000年以上前の人物の筆跡を拝めるとは、凄すぎます。

ところで、ここに書いてある内容は五経ばかり。 孔子の生きた時代からはるかに時代が下っていて、優れた書物は他にたくさんあったはずなのに、 いつまでも孔子の時代の書物である五経ばかりが価値があったというのは、 中国が近代化に乗り遅れた最大の原因ではないだろうか、という気がする。

ちなみに、ここでは拓本の作業もやっていて、それを見るのもなかなかに面白い。 拓本したものを買うこともできるらしいが、私は買わなかった。

******清真大寺******
さて、回民街の辺りには、ちょっとしたお土産になりそうな小物を売っている店が並んでいる。 何か記念になるものを買ってかえろうと、そこで飛行機までの時間をつぶすことにした。

別に買わなくても、値段交渉をしているだけでも、なかなかに楽しい。 いろんな店でやり取りをしているうちに、物価がみえてくるのである。

と、、、清真大寺を発見。 寄ってみたいと思いながら、場所が分からず諦めていた寺。 西羊市街を清真大寺のある路と勘違いしていたために見つけられなかったのだった。

清真大寺 私は何度かシルクロードの出発点としての西安に興味があると書いてきたが、 まさにこの寺はその象徴たる寺ではないだろうか。 『清真』とはすなわちイスラムのことで、つまりここはモスクなのである。

創建は唐の時代。長安の街がもっとも華やかで、国際色豊かだった時代に創建されたわけである。

見た目は中国風の建物なので、寺の吊前を知らないとモスクだと気がつかないくらいである。 偶像がないことと、たまに見かける寺の関係者の格好が、ここはモスクだったと 思い出させてくれる。

ここでは、欧米人の姿も多くみかけた。 寺の柱に刻まれている文字に興味をそそられたらしく、あれはどんな意味かと尋ねられた。 見ると、普通の漢字ではない。いや、そもそも漢字なのかどうかもよく分からない形をしている。

ごめんなさい。中国人ではなくて日本人なので、分からない。 というと、驚かれた。やはり中国人と日本人の区別はつかないらしい。 と思ったら、彼女の口から日本語が聞こえてきた。 聞くと、吊古屋にいたことがあるらしい。

こういうことがあるから、旅は面白い。 しばらく会話をしたあと、よい旅を、といって別れた。

******さらば西安******
いよいよ西安を去る時間が近づいてきた。 ユースホステルに荷物を取りに戻って、美倫酒店前のバス停に向かった。 降車場の向かい側かと思ったら、同じサイドだった。

このバス停に近づくと、中国語で何か言ってくる。察するに荷物を渡せということだろう。 いやいい、と手を振ると、また何か言う。 中国語は分からないので、ととりあえず英語で言うと、別の人がやってきた。

この人は英語が分かるらしく、フライトは何時か?と聞いてきた。 18時だと言うと、それはダメだ、間に合わない。タクシーにしなさい、と。 なるほど、そういうことか。。。 何も気づかず、荷物を渡していたら、タクシーに積み込まれていたに違いない。

フライトまで3時間以上あって、空港までは1時間のはず。 確かに1時間前までにチェックインをしないといけないと『地球の歩き方』に書いてあるとはいえ、 倊の2時間かかるということはあるまい。 うるさいタクシーの客引きを振り切って、バスに乗り込んだ。

バスは予定通り、1時間で空港に到着。 但し、チェックインが1時間前までという制約があることを思えば、 確かにもう30分~1時間程度余裕をもって行動していたほうが賢明だったかもしれない。

飛行機はぐんぐん高度を上げて、あっという間に西安を去ってしまった。

******台北へ******
台北到着は22時。

こんな遅い時間に到着するのは本来なら避けたいところだが、台北は二度目である。 何とかなるだろう、と。 予約していた『台北之家』は行天宮近くであり、 よく見ると台北松山空港行きのリムジンが行天宮のバス停を通るではないか。

これだ、と乗り込んだ。 バスは高速を降り、お寺を左折し、、、

ん?今の行天宮では?? と、運転手が何か言う。 当然中国語であり、何を言っているか分からない。 隣の席の人も、あれ?って顔をしている。

バス停で停まらないのか??という私の疑問を抱えたままバスは走り続けた。 さらに走り続けたところで、誰かが何かを言って、バスは停まった。 どう見ても、過ぎ去っているので、私もここで降りることにした。 隣で同様に首を傾げてた女の子もここで降りていた。

さて、問題はここがどこか分からないことである。 首を傾げていた女の子に地図を見せて、場所を聞くと、この地図の外だと言う。 何と言うことか。私は途方に暮れた。

すると、この子が助け舟を出してくれた。 今から私のママが迎えに来るから、ついでに近くまで送っていってあげる、と。 なんという親切! 台湾人にはこういう親切さがあるのが、本当に素晴らしい。 だから、台湾は好きである。 これが中国で同じようなことを言われたなら、少し警戒してしまうところである。

この親切な母娘に丁重にお礼を言って別れた。 トラブルがあったけれども、気持ちのよい到着であった。 この時間、台北之家のあるビルの表側はシャッターが降りていて、 中に入るには裏にまわらなければならない。

以前、台北之家を朝早く出発するときに、表のシャッターが閉まっていて、 裏から出たことがあるので、知っていたのである。 それを知らなかったら、慌てていたところだ。

しかし、西安のユースホステルを知ってしまったあとでは、 この台北之家に物足りなさを感じてしまうのは、贅沢というべきか。 ちなみに、このユースで久々に日本人に会った。

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