******突然の旅行計画******
仕事が忙しい日々が続き、大きな会議を3つ乗り越え、ようやく一息いれるチャンスが巡ってきた。
休暇をとるチャンスを狙っていた私には、千載一遇のチャンスがきたように感じられたわけである。
1ヶ月くらい前から「一段落したら休んでいいですか?」と冗談半分に聞いていた。
そして、旅立ちの2週間前、「本当に休みます!」と宣言して、旅行の手配に入った。
この時点では、行き先なんて決まっていない。
憧れの国といえば、スペイン、トルコ、ウズベキスタン。
スペインやトルコはいくらなんでも遠い。
とすれば、ウズベキスタン。
『青の都』として名高いサマルカンド、
かつてシルクロードのオアシスとして栄えたその街を見てみたい。
そんな気持ちが高まってきて航空券の手配に入った。
が、、ビザの手配に10日必要なことが判明。
それを知ったのがちょうど出発の10日前。
泣く泣くウズベキスタン行きを断念した。
しかし、もはや気分はシルクロードである。
シルクロードといえば、長安を東端に敦煌を通り西域に入り、カシュガル、サマルカンドを通り、
トルコからローマに至る道。
よし、西安、敦煌、ウルムチあたりをターゲットにしよう、と。
が、どういうわけか西安以外の航空券は確保できず、、、必然的に西安が行き先に決定した。
現地で敦煌あたりまで足を伸ばせればいいな、と空想しながら、旅行の準備に入った。
航空券は台北経由のチャイナエアライン。
出発まで1週間をきって、ようやく確保できた航空券である。
帰りに台北で一泊することになるフライトスケジュールだった。
******敦煌行きのチケット******
7月16日、二日も休暇をとった罪悪感に、ほんの少し後ろ髪をひかれながら、日本を出国。
台北から西安が意外に遠い。約4時間かけて、西安に着いたのは17時頃過ぎだった。
空港ではさっそくタクシーの客引きが。
口を開かなければ日本人とは分からない。
黙って、手を振ったら、すぐにあきらめてくれた。
さて、空港を去る前に用がある。
敦煌への航空券の手配である。
二階のチケットカウンターでさっそく聞いてみた。
エアチャイナなら英語も通じると思ったが、甘かった。
が、我々日本人には大きな武器がある。
漢字の読み書きができるのである。
人生初の筆談である。
『7/17 西安⇒敦煌、7/18 敦煌⇒西安』と書くと、会話が通じず不安そうな顔をしていたカウンターの女の子は、
あぁ!とにっこり笑顔に変わった。
7/17は13:25発で15:45着、7/18は18:30発で20:30着で片道1,770元だという。
敦煌観光は月牙泉と莫高窟くらいでちょこっとだけでいいと思っていたのだが、
これでは西安観光がほとんどできない。
しかも、日本円にして往復約5万円。
西安まで7万ちょっとで行っているわけなので、これはちょっと高い。
高いのは正規料金のためで、街の旅行会社に行けば、もう少し安いチケットがあるかもしれない。
旅行会社に行ってみてから考えようと、ここではチケットを買わないことにした。
このときは気がついていなかったのだが、敦煌は遠いのである。
台北から西安と同じくらいの距離がある。高いわけである。
そんなことも知らずに、旅立ったのは、思い立ってからの時間がなかったとはいえ、
我ながら情けない(苦笑)。
******湘子門国際青年旅舎******
空港から市内へはシャトルバスが出ているはず、
探すまでもなく、すぐにバスは見つかった。
ユースホステルを予約したときに、
"Melody Hotel"行きに乗ればいいよ、
ってメールが返ってきていたのだが、はて中国語でどう書くのだろう?と心配していたのだが、
その必要はなかった。
ちゃんと英語でMelody Hotel行きと書いていたのである。すばらしい。
バスは約1時間で到着。
バスを降りて、地球の歩き方を見ていたりしたら、すぐにカモと思われる。
進むべき道を頭にいれて、バスを降りてすぐに目指すユースへと向かった。
降りてすぐは、タクシーの客引きか何かに声をかけられたが、無視。
目指すユースホステルは『湘子門国際青年旅舎』。
事前調査では非常に評判のよいユースホステルである。
このユースホステルの位置が地球の歩き方に書いてある位置と微妙に違った。
道を挟んで反対側にあったのである。
おかげで少し迷ってしまい、道行く人に地球の歩き方を見せて聞いて、ようやくたどり着いた。
噂どおり、綺麗なユースホステルで、英語がちゃんと通じました。
名前を書くと、興味を示して中国語で読もうとするので、日本人だから日本語の発音だよ、
というと、あ、そっか、と純朴な笑顔を見せてくれた。
中国といえば、無愛想だとかよく聞くけれど、ここはそんなことはない。
予約は1泊だけだったけれども、その笑顔で2泊に延泊することに(笑)。
居心地のいいところは何日泊まってもいいのである。
******ユースホステルのバー******
荷物を部屋に置いて、早速街歩きにでかけた。
外はわずかに雨が降り始めていて、初日からさっそく傘を使うことに。
夕食を食べるのが目的なのだが、やはり一人では店が限られる。
こういうときは、一人は不便だと思う。
結局ユースホステル近くの大衆食堂に。
乾パンを砕いたみたいなのに、麺とお肉とスープを入れた不思議なものを食べた。
もちろん英語は通じないので、ジェスチャーのみの会話である(笑)。
しかし、量が多かった。
食べきれず、1/3程度を残してしまった。
さて、夕食後。
ユースホステル近辺はお洒落なバーが多いのだが、一人で入るのに気後れしてしまい、
ユースホステルの1階にあるバーに入った。
ユースホステルらしく若い店員さんだけでやっていて、
なかなかいい雰囲気だった。
しっかりした感じの女の子が中心になって店をやっていて、
ちょっとお茶目な感じの男の子が時々叱られて、ごめんごめん、って謝りながら、
ちらっとこっちをみて、ホント厳しいんだよ、って表情をしてみせたり。
ここの雰囲気がよくって、結局毎日通ってしまった。