トルコ史①(ローマ以前)
---ヒッタイト---
あまり知られていないですがが、トルコの歴史は相当に古い。 現在のトルコの大部分を占めるアナトリア地方(トルコのアジア側領土)に、紀元前18世紀頃、 ヒッタイト王国が建国されます。 世界で初めて鉄器を手にしたと伝えられ、その強力な製鉄技術を武器に メソポタミアを治めていた古バビロニアを征服。

さらにはシリアの覇権を巡って、エジプトと争い、紀元前1285年頃に大規模な戦争が勃発。 その後、両者の間で世界初の講和条約が結ばれたと言われています。 エジプトと拮抗するほどの勢力をもっていたんですね。 しかし、紀元前12世紀の初め頃に、ヒッタイトは突如滅亡します。

この時代のアジアは殷(商)王朝の時代です。 日本は、、触れるのをやめておきましょう。。

---トロイの木馬---
トロイア戦争と聞いてピンとこなくても、トロイの木馬といえば、 聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。

これはギリシア神話に登場する戦いですが、まったくの架空であったかは、 未だ議論の分かれるところのようです。 が、ホメーロスの叙事詩が優れていたためか、非常に面白い物語であるので、 ここで紹介しておこうと思います。

舞台はトルコ、アナトリアの北西部のイリオス、またの名をトロイヤと呼ぶ古代都市です。 戦争の発端はトロイヤの王子パリス。 彼がスパルタ王の妻であり、絶世の美女ヘレネをさらったことで戦争が勃発します。

スパルタ勢を含むギリシア勢はトロイヤを囲みますが、戦線は膠着。 そこで登場するのが、知将オデュッセウスです。

ギリシア側の将であったオデュッセウスは、木馬の中に兵を潜ませるという 奇策を立てて、それを実行に移します。 ギリシア勢が一晩で去ったのをみたトロイヤ勢は喜び、兵が潜んだ木馬を 城内に運び、宴会を開いて、喜び合います。 が、、その木馬の中に潜んだギリシア勢によって、トロイヤは滅亡します。

先に触れたように、神話上の物語ですが、紀元前1200年頃の出来事とされ、 この時期にアナトリア地方が侵略を受けたという事実がこうした物語誕生に 繋がったともいわれています。 神話ほど劇的ではなかったかもしれませんが、こういったことが事実だったかも しれないと思うと、なかなか興味をそそられます。

---アッシリア~アレキサンドロス大王---
さて、話を神話から戻しましょう。

ヒッタイトの滅亡後、急速に力をつけたアッシリア帝国により、 アナトリアは歴史の中心からしばらく遠ざかることになります。 アッシリア帝国はかつてないほど強大な帝国となり、エジプトまでを征服し、 メソポタミアとエジプト文明の融合がなされたのも、この時代です。

紀元前8世紀に全盛期を迎えたアッシリアにも、やはり衰運のときはやってきます。 紀元前609年にアッシリアは滅亡。 以後、オリエントの世界は4大国時代に突入します。

50年あまりの4大国時代の後、再びオリエント全域を支配する帝国が出現します。 現在のイランを本拠とするアケメネス朝ペルシャ帝国です。 この帝国は約200年間オリエント世界を支配しますが、強大な敵の出現によって滅びます。 その敵こそ、現在のトルコの西、ギリシアの北にあるマケドニアの王であった アレキサンドロス大王です。 ギリシアをまとめあげたアレキサンドロスは、東征を開始。 世界帝国ペルシアに戦いを挑みます。

英雄アレキサンドロス率いるマケドニア軍は連戦連勝。 ついにペルシアを滅ぼします。 ギリシア文化とオリエント文化が融合し、ヘレニズム文化が 生まれた、ということは歴史の教科書でもよく知られていますね。

アレキサンドロス大王のマケドニアの支配域は広範囲に及び、東はインド、南はエジプトまで広がりました。 が、よく知られているように、アレキサンドロスは急死。 帝国は一気に瓦解します。 紀元前323年のことです。 この時期のアジアは中国の周王朝が力を失い、戦国時代を迎えた時期です。

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