******霧の中******
ドイツにはあまり山がないのですが、日本においてはノイシュヴァンシュタイン城の写真のイメージが強すぎて、
そういうイメージを持つ人は少ないようです。が、ドイツは
ほとんど平地だというのが、真相です。
そのイメージを覆す州こそが、ノイシュヴァンシュタイン城のあるバイエルン州です。
日本では、このバイエルンがドイツのイメージを代表してしまっているせいで、ドイツに平地のイメージがないのかもしれません。
蛇足かもしれませんが、バイエルンはドイツの南に位置し、オーストリアやスイスと国境を接しています。
要するにヨーロッパを代表する山岳地帯アルプスに隣接しており、本場アルプスには敵わないにしても、
ドイツにおける高い山はこの地域に集中しているのです。
そして、最高峰の山がこの日のターゲットであるツークシュピッツェです。
標高2962m。3000mないとはいえ、堂々たる威容です。
ドイツの凄いところは、登山列車とロープウェーを乗り継いで、こんな高い山の山頂まで行けてしまうところです。
登山列車の出発駅はガルミッシュパルテンキルヘンという避暑地の街です。
デュッセルドルフからは約800km。さすがに距離があるので、前日仕事が終わると、シュトゥットガルトまで車を走らせ、そこで前泊。
にもかかわらず、到着は12時を回ってしまいました。
夏のバケーションシーズンに避暑地に向かうという選択肢がまずかったのか、途中がひどい渋滞で、予想以上に時間がかかったためです。
山の天気がいいのは午前中というのが、日本での私の経験則ですが、ドイツでもその経験則は通じるのか、山は生憎の霧の中。
麓からは霧の中にみえても、案外山頂は晴れていることもある、と、かすかな希望をもって山頂へと向かいましたが、、、案の定、山頂は霧と雨。
山頂から素晴らしい展望を望むはずが、、、何も見えません。。。
また、本当の山頂には岩場を少し登らなければならないのですが、登山靴を日本においてきているので、足下はただのスニーカー。
足場の悪い中スニーカーで登ってもいいようなルートにはみえず、それも断念。
失意のまま、山頂のレストランで、カプチーノを飲んで引き上げました。
******絶好の展望******

翌日、デュッセルドルフまで800kmの道を走破しなければならない私は、ただ帰るだけ、の予定でした。
が、このまま帰っていいのか?俺よ!という心の声を耳にするうちに、ハンドルは自然とツークシュピッツェへと向けられました(笑)。
いざリベンジ!
前日の苦い経験も、生かさなければ意味がないでしょう。一つ学んだことがありました。
登山列車からロープウェーにアイプゼーという湖の駅で乗り換えるのですが、ここに大きな駐車場があることを見つけていたのです。
そして、登山列車よりもロープウェーのほうが遙かに本数が多い。
つまり、アイプゼーまで車で行けば、いきなりロープウェーに乗ることができ、遙かに時間を節約できるわけです。
これに気がついたことで、リベンジのモチベーションが俄然沸いてきたのでした。
アイプゼー到着時の天気は快晴!前日と違い、山頂がはっきりと見えます。
私のテンションは、小躍りしたくなるくらいなのですが、さすがに一人で踊り出すと変人になってしまいますから、、ぐっとこらえて、ロープウェーへ。
ロープウェーは、ほぼ垂直にあがってるんじゃないかというくらい、最後の部分では断崖絶壁をあがっていきます。
着いた先は、もちろん快晴!まさに絶景です。
さすがにマッターホルンなどの山は見えないですが、アルプスの山々を彼方に望むことができました。
いやぁ、幸せですね。
実は山頂までのロープウェー、往復50ユーロ弱。リベンジするには、少々踏ん切りが必要な額でしたが、
それに見合う眺望でした。
また、この日の天候なら本当の山頂までの岩場も行けるのではないかと、ルートをよく確かめ、実際に
行っている人の装備をよく確認した結果、行けるに違いないと結論。
行ってきました。
まあ、多少険しいですが、天候さえよければ、問題ないレベルですね。
ドイツ最高峰制覇です!ロープウェーを使っているので、ちょっとイカサマ感もありますが。。。
あとは、絶景を眺めながらカプチーノ。気分が違えば、前日のカプチーノとは味も違って感じます。もう最高です。
帰りも、渋滞があって、途中ヴュルツブルクでの休憩も入れて、11時間の長時間ドライブでしたが、
それだけ苦労した甲斐はありました。ロープウェーがあるので、冬山も簡単に楽しめてしまいますが、
さて、来る機会があるかどうか。