ヴェルニゲローデ(2015年4月25, 26日)
******魔女の町******
三連休を手にして、久しぶりにちょっとした旅行を計画することにしました。 今回の計画は木組みの町ツアーです。

木組みの家 ドイツといえば、木組みの家を思い浮かべる方がいるかもしれませんが、それはハルツ山地の町にある家で、実は他の地域には珍しい様式の家です。

ハルツ山地は、日本からのツアーに組み込まれることはほとんどないと思いますが、ドイツらしい地域といってよく、じっくり旅してみたいと思っていました。

というわけで、選んだ旅行先は、ヴェルニゲローデ、クヴェトリンブルク、ゴスラーというハルツ山地の木組みの町。まず、最初に訪れたのが、ヴェルニゲローデです。

ヴェルニゲローデはブロッケン山の麓の町です。 日本では、ブロッケン現象で知られるブロッケン山ですが、ドイツではむしろヴァルプルギスの夜でよく知られています。

4月31日の夜に国中の魔女たちがブロッケン山に集まり、春の到来を祝うという伝説が、ヴァルプルギスの夜です。

ゲーテの代表作ファウストにも登場するので、ご存知の方も多いかもしれません。

昼食 そんなブロッケン山麓の町ですから、ヴァルプルギスの夜には盛大なお祭りが開かれます。

本当なら、そこを狙って来るべき町なのかもしれませんが、今回の旅の目的は木組みの町。 二兎を追えば、本筋の木組みの町散策を楽しめないだろうと、あえてヴァルプルギスの夜を外しての訪問でした。

デュッセルドルフからは車で約4時間半。400kmの行程です。 到着して、すぐに昼食。 旬のシュパーゲルズッペ(スープ)を頂きました。この時期はやっぱりシュパーゲルですね。

******ユニークな木組みの家******
傾いた家 さて、昼食後は町の散策へ。 この町の魅力はなんといっても可愛らしい木組みの家の町並みです。

いくつか有名な家があるので、まずはそれを目標にして散策をしました。 まず最初の目標がシーフェスハウス(Schiefeshaus)。日本語にすると、傾いた家、です。

その名の通り、傾いていて、今にも倒れそうです。

こういう名所でやることは決まっているでしょう。 傾いている家を全力で支えるふりをして、写真をパシャリ。 旅の恥はかき捨てですね(笑)

続く見所の家がクラインステスハウス(Kleinsteshaus)。日本語にすると、最も小さな家、という意味です。

最も小さな家 確かに小さい。

あの体の大きなドイツ人が住んでいたとはとても信じられません。 どこかの国からの移民が住んでいたのでしょうか?

観光に来ていたドイツ人達は非常に窮屈そうでした。

それにしても、可愛らしい家々で、おとぎの国のよう、という表現がぴったりです。

******メルヘンなお城と市庁舎******
ヴェルニゲローデ城 さて、この町のシンボルは、おそらく2つでしょう。 町の中心部に立つ市庁舎、そして山の上にそびえるヴェルニゲローデ城です。

街から見上げるお城は可愛く、街の雰囲気によくマッチしています。 ただ、中はまあ、普通でした。

ところで、ヴァルプルギスの夜といえば魔女ですが、魔女は異端の象徴です。 にもかかわらず、このヴァルプルギスの夜はキリスト教のお祭りになっています。

聖ヴァルブルガが列聖された日とされていますが、明らかにこじつけでしょう。

土俗の宗教で春を祝う日だったと言われており、土俗宗教の文化を取り込んでしまうキリスト教布教活動の定法といっていいでしょう。ただ、それが魔女のお祭りに変わったところが面白い。

夕食 土俗の宗教を一掃しようとして異端扱いしたものの、うまくいかず、作戦を変えてキリスト教の行事に取り込んでしまった、というストーリーを想像したくなります。

土俗宗教というのが、北欧で絶大な力を誇ったオーディンに由来するといわれているので、その影響力排除に苦労したのでしょう。

ちなみに、英語のWednesdayがオーディンのドイツ語読みヴォーダン(Wodan)に由来すると言われています。オーディンの影響力の大きさを伺い知ることができますね。

余談を続ければ、ドイツ語で水曜日はMittwochといいますが、Wotantagという言い方もあるようです。オーディンのドイツ語Wodanに由来していることは言うまでもありません。

市庁舎 さて、お城と並ぶもう一つの名所が市庁舎です。 夕食後に訪れました。

魔女のとんがり帽子のような尖塔が二つ前方に突き出たユニークな外観です。 魔女の町に相応しい市庁舎といっていいでしょう。

この市庁舎がこの町の魅力を引き立てているといって間違いありません。 夕暮れの幻想的な雰囲気とあいまって、メルヘンな雰囲気が増していました。

******ハルツ国立公園******
翌日まず向かったのはハルツァーバウムクーヘンというバウムクーヘン専門店です。 ヴェルニゲローデ郊外にあります。

が、残念ながら開店前。

ハルツ国立公園 それならと、次に向かったのがハルツ国立公園です。

トリップアドバイザーで高評価。 期待は膨らみます。 とはいえ、評価されているのはSLに乗って向かうブロッケン山の山頂で、私が向かっている場所とは違うようでしたが、ハルツ国立公園であることには変わりありません。

が、着いてみれば、何のこともありません。

むしろ大量に自生している杉の木を見て、妻が怖気をふるう始末。 反応していないのは、花粉が飛んでいないのか、種類が違うのか分かりませんが、退散するに如くはなし、です。

ところで、ブロッケン山といえば、ブロッケン現象で有名ですが、これは霧の中に巨大な影と虹の輪を映し出す神秘的な現象。 一度は見てみたいものですね。

******ハルツァーバウムクーヘン******
ハルツァーバウムクーヘン さて、次の目的地クヴェトリンブルクへ向かう途中に寄ったのが、ハルツァーバウムクーヘン。 朝のリベンジです。

ドイツといえば、バウムクーヘン! バウムクーヘン専門店と聞けば期待は高まります。

ここはなんと外観まで、バウムクーヘン。 庭の木にはバウムクーヘンのオブジェが吊され、徹底した専門店ぶりです。

ここには普通のバウムクーヘンもあるのですが、なんとおかずメニューとしてのバウムクーヘンもあります。

ちょうどお昼時でしたので、それも頼んでみました。

バウムクーヘンの穴の中にシチューが入っています。 頼んでおいて何なのですが、これが意外に美味。

おかずのバウムクーヘン さすがはバウムクーヘン専門店です。 ここを訪れたことで、後にザルツヴェーデルというバウムクーヘン発祥地への旅行を計画するきっかけになったような気がします。

ところで、最後に身も蓋もないことを書きますが、私がドイツで一番美味しかったバウムクーヘンはデュッセルドルフのハイネマンのバウムクーヘンです。 結局我が町の有名店が一番とは、、、まあそんなものかもしれませんね。

ちなみにドイツといえば、バウムクーヘンと日本人は思っていますが、ドイツではそんなに見かけません。 日本のほうがよっぽどメジャーなドイツのお菓子、というのはちょっと面白いですね。

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