ウルム(2015年1月17日)
******世界一高い大聖堂******
ドイツの大聖堂と言えば、なんといってもケルン大聖堂がよく知られていますが、ドイツで一番高い大聖堂は、実はケルンではありません。 ドイツの南の街ウルムに聳える大聖堂のほうが高いのです。 ウルム大聖堂 いや、それどころか世界一の高さを誇る大聖堂こそがこのウルム大聖堂なのです。

実は出張でウルムに来た際に、ちらっと見たことはあったのですが、今回改めて訪れることにしました。

駅舎を出て街の中心に向かってしばらく歩くと、尖塔が威風堂々と天に向かって屹立しているのがみえます。。 ケルンは2本の尖塔ですが、ここは1本。

ところで、このウルム大聖堂、本当に大聖堂と訳したものかどうか、悩むところです。

というのも、ドイツ語で大聖堂と訳される単語にはDomMünseterの2つの単語が あるのですが、ケルン大聖堂はDomなのに対し、ここはMünster。

ウルム大聖堂内部 Domには司教様がいらっしゃるのですが、Münsterにはいらっしゃらないのです。

大聖堂を司教様がいらっしゃる教会と厳密に定義するなら、ここは大聖堂ではないことになります。

そのためか、ここの中は少々変わっています。 紋章が山と掲げられていました。

おそらく、大聖堂建立のために寄進した街の有力者かなにかの紋章だと思うのですが、他の教会ではあまり見ないものです。

ここがDomであれば、司教様は俗界においても相当な権力者ですので、他家の紋章を飾るなどということを許すはずもないと思うのですが、 Münsterであれば、そんな気兼ねはいらないということかもしれません。

市庁舎 おそらく、この大聖堂は街の富の象徴として市民の力で建てられ、街の有力者たちは紋章を飾ることでその力を誇示したのではないかと 思いますが、どうでしょう。

さて、市民の力の象徴といえば、もう一つ。 この街の市庁舎(Rathaus)も素晴らしい。

美しい壁画に彩られています。 そして、日時計がまた趣があって素晴らしい。

その二つが、この街の市庁舎を他の街のものと大きく違って、見応えのあるものにしていました。

ラーツケラーの昼食 さて、市庁舎の地下には、ラーツケラーというレストランがあることがほとんどです。

私は、旅先でレストランに迷えば、このラーツケラーに入ることにしています。 市庁舎という街を代表する建物の中にありますから、まず味は保証されているといっていいです。

今回もラーツケラーに入ることにしました。 食べたのは、この地方のシュヴァーベン料理。

メニューをみてもどうせ分からないので、地名がついているものを頼むというのも、レストランでの私の王道です。

名前を覚えていないのが残念ですが、このシュヴァーベン料理はなかなか美味しかったです。

さて、ウルムはドナウの上流にある街です。 ドナウはウルムの西にある黒い森に源流をもち、ウルムを通って東に流れ、遙か東の彼方の黒海に注ぐわけです。

昔、ブダペストでドナウを見た私はドナウに憧れをもっており、ドイツに来てパッサウ、レーゲンスブルクと ドナウを徐々に遡り、この日ウルムで再びドナウを見たことは、ある種の感動でした。

ウルムの町並み ドナウ川沿いの城壁の上をしばらく散歩した後、ドナウに注ぐ水路沿いを歩いてみました。

漁師の一角と呼ばれるこの一帯はなかなかに風情があります。 ウルムを散歩するなら、間違いなくここが一番でしょう。

「傾いた家」という変わった名前のホテルもこの一角にあります。 その名の通り、傾いているわけで、それをウリにしてしまっているところがおもしろい。

さて、ウルムは世界的有名人を排出している街でもあります。 いや、人類始まって以来の天才学者と言ってもいいかもしれません。

アインシュタインの泉 アルベルト・アインシュタインがその人です。

ドイツ人であると同時にユダヤ人であった彼はナチスの迫害を逃れるために、ドイツに生まれながらドイツを去った人です。

これほど優秀な人を去らせたということひとつをみても、何故ユダヤ人迫害などという思想がでてきたのか全くもって理解に苦しみます。

当然ながら、今のドイツはナチスの時代ではありません。 この偉人を記念したモニュメントが生まれ故郷に建てられていました。

アインシュタインが舌を出したユニークな像で、アインシュタインの泉と呼ばれています。

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