******ハンザの残り香******
北ドイツの諸都市を歴史のみ表舞台に押し上げた
ハンザ同盟の初期メンバーは、
リューベック、ヴィスマル、ロストックの三都市でした。
そもそも、ヴィスマルとロストックはリューベックが東に進出するにあたって建設した衛星都市。
元々協力関係にあった都市ですから、この初期ハンザ同盟は、関係をより強固にしたということかもしれません。
いずれにせよ、この同盟の凄みは、あくまで都市同盟であり、同盟に参加していたいずれの都市も領主の支配を受けない自由都市だったことです。
この都市同盟軍は、最盛期には北の大国デンマークをも破るほどの力がありました。
ハンザ商人の力、恐るべし、です。
時代が下り、ドイツが東西に分割されると、ロストックは東ドイツに属し、造船業で栄えます。
が、ドイツが再統一されると、西側経済についていけず、主力の造船業が大打撃を受け、街は寂れてしまったと聞きました。
今、ロストックを見ると、確かに大都市の感はないですが、寂れた街という印象は受けません。
街の景観を代表するマリエン教会の尖塔が威風堂々聳えるのがみえ、古都の趣があります。
マリエン教会の中を見たかったのですが、生憎午前中のみで、見ることができませんでした。
この日はヴィスマルでも、ミサのため教会の中に入れなかったですので、どうやら教会に縁のない日のようです。
その代わりに、といえば、少々おかしいですが、昼食をとることにしました。
入った店はイギリスのパブのような装いで、昼間でも賑やか、かつ開放的でした。
メニューもハンバーガーのようなスナックが主体で、ハンブルクを思い出します。
近代まで栄えた港町ではこういう食べ物が主流になったということでしょうか。
もちろんビールは地元のロストックビール。
あっさり飲みやすいビールでした。
昼食後は、かつて市街を守った城壁沿いを散歩しました。
城壁があると、どこかローテンブルクを思い出させます。
城壁はやはり雰囲気があっていいです。
そういえば、城壁の内側すぐにロストック大学があります。
ドイツで6番目に古く、15世紀創立。
既に述べたように、ロストックは自由都市都市でしたから、これは市民が建てた大学ということでしょう。
素晴らしいとしかいいようがありません。
さて、北ドイツもだいぶ巡りましたが、私の想像以上に魅力的な街が多いです。
日本であまり注目されていないのが、残念ですね。