******神聖ローマ帝国発祥の地******
木組みの町ツアー二つ目の目的地
クヴェトリンブルクは、町そのものが
世界遺産という町です。
世界遺産に認められたのは旧市街の歴史的価値の高さにあります。
町の古さももちろんですが、この町の歴史も振り返る価値があります。
初代神聖ローマ皇帝とされるオットー大帝とその父ハインリヒ1世まで遡ります。
ドイツを支配していた東フランク王国で、カール大帝以来のカロリング家の血統が断絶。
当時領内を荒らし回っていたマジャル(ハンガリー)人に対抗するため、国内最大勢力を誇っていたザクセン公ハインリヒに白羽の矢が立ち、ドイツ王として即位。
その子オットーとの二代に渡るマジャル人との壮絶な戦いが幕を開けます。
マジャル人を駆逐することに成功したオットーはローマ法王に認められて帝位につきます。
いわゆるオットーの戴冠で、ここから神聖ローマ帝国が始まったとされます。
そのハインリヒ、オットー親子が本拠とした町こそ、ここクヴェトリンブルクなのです。
神聖ローマ帝国の発祥地ともいっていいでしょう。
後に帝国の中心はオーストリアのハプスブルク家に移っていきますが、この時期はまだこのあたりが帝国の中心だったわけです。
もう一つ付け加えれば、ハインリヒ1世はドイツ王であると同時にザクセン公。
今ザクセンと聞けばドレスデンのあたりを思い浮かべますが、元々のザクセンの中心はこのあたりでした。
さて、町の外れに小高い丘があり、そこからの眺めが美しいと聞き、さっそくそこへ向かいました。
この丘から町を眺めると、別の丘の上に教会が聳えるのが見えます。
聖セルヴァティウス教会。
ハインリヒ1世がここに眠っています。
丘からの眺めを十分に楽しんだ後、今度は逆にその聖セルヴァティウス教会の立つ丘へと向かいました。
そこからの眺めもまた美しい。
他の地域と組み合わせるのが難しいので、ツアーに組まれることがないのでしょうが、それはちょっともったいない気がします。
少なくとも私好みの町ですね。
ローテンブルクのように観光地化されていないのも良いです。
少々矛盾したことを言っているようですが(笑)。
今回訪問した木組みの町、ヴェルニゲローデ、クヴェトリンブルク、ゴスラーのうち、町そのものの美しさでいえば、断然クヴェトリンブルクが一番です。
ヴェルニゲローデやゴスラーでは木組みの可愛い家を楽しむことができるのは、特定の一角に限られますが、この町は本当に町全体が木組みの家で、散策が楽しい町といっていいでしょう。
ただ、ヴェルニゲローデの魔女伝説、ゴスラーの鉱山のようなプラスアルファの楽しみにこれといったものがないのは少し残念ですが。
夕食はブロイハウスを見つけて、そこで頂きました。
やっぱり一日の最後は美味しい地ビールに限ります(笑)