******中世の宗教都市******
デュッセルドルフ近郊の魅力的な都市に
ミュンスターを忘れるわけにはいかないでしょう。
中世、司教座がおかれ、司教都市として栄えた街です。
ところで、ミュンスターという街の名前は面白いです。
ドイツ語でMünster(ミュンスター)といえば、司教の置かれていない大聖堂のこと。
既に書いたように、この町は司教都市で、もちろん司教のいる大聖堂、すなわちDom(ドーム)があるのです。
ミュンスターという地名がどこからきたのか、大いに興味のあるところですが、残念ながら私の知識の外です。
ともあれ、そういう歴史ある街は今もその風情を残していて、非常に魅力のある街並みになっています。
ところで、ミュンスターを訪れるのは実は2度目です。
前回はクリスマスマーケットのときに訪れています。
その際に、街の中心部に威風堂々と聳える尖塔を持つ教会について尋ねられ、大聖堂だと思いますよ、と答える醜態をさらしました。
実際は、この教会はランベルティ教会といって、当然ながら大聖堂とは別の教会です。
今回はきちんと予習をしてきたので、それを知ったうえで、訪れました。
大聖堂ではなくても、この教会もまたミュンスターを代表する教会であることは確かです。
中に入ると立派なステンドグラスをみることができました。
さて、この街は歴史的に重要な役割を果たしています。
ヨーロッパ中を戦争に巻き込み、ドイツを荒廃させた三十年戦争の講和条約がこの街で結ばれたのです。
有名なウェストファリア条約です。
その条約が公布された間を、今も市庁舎の中に見ることができます。
ものの本に豪華だと書いてあったように思うのですが、とりたてて豪華というほどではないように思います。
条約締結の間には、条約に参加したらしき君主たちの肖像画が並んでいました。
さて、大聖堂です。
本物の大聖堂は、ほんの少しだけ中心部から離れたところにあります。
ランベルティ教会に比べて目立たなかったのは、尖塔の高さが低いためで、
いわゆるロマネスク式の典型だと思ったのですが、ガイドブックによると
ゴシック式とのことでした。
建築様式はやはり難しい。
いずれにしても、どこか厳かで、味のある大聖堂でした。
大聖堂と言えば天高く聳えるものという私の偏見が勘違いを生みましたが、
天高く尖塔が伸びていなくても、素晴らしいものは素晴らしいということでしょう。
この大聖堂最大の見所は天文時計です。
機構はよくわかりませんが、日時はもちろん、金星などの惑星の位置も示しているように見えます。
時計は16世紀のものらしく、今も現役で動き続けていることに感心します。
ところで、司教様がいらっしゃった城館は、今は大学になっていて、街の西のはずれにあるのですが、
今回はパスしました。
これもまた、立派な建物のようです。
いつか訪れてみたいところですが、この日はドルトムントのビールの誘惑が勝ってしまいました。。。