リューネブルク(2015年3月22日)
******塩の街******
大いに興味を持ちながら、まだ訪れていなかった街、それがリューネブルクです。

リューネブルク ドイツ史に冠たるハンザ同盟は、この街があったからこそ栄えたといっていいかもしれません。

かつて、この町は上質の塩を産し、その交易で大いに栄えました。 人は塩がなくては生きていけません。 栄養素としては勿論のことながら、食料の保存に欠かせないものだったのです。

中世の昔、塩は白い黄金と呼ばれるほど、高価なものだったのです。

ハンザの盟主リューベックは、その塩を外洋に運び出す出口にあたる港町。 リューベックが盟主たり得たのも、このリューネブルクがあったからこそなのです。

かつて塩交易が生む利益の大きさに気が付いて、リューベックを建設したハインリヒ獅子公は、その後没落しますが、没落してもなお手放さなかったのが、ここリューネブルクです。

魚料理 この町の価値の高さが分かろうかというものです。

さて、海に近づくと食べたくなるのが魚料理でしょう。

魚料理を売りにしている店を見つけて、中に入りました。 海に近づくと、魚料理を出す店が増えるのが嬉しいです。

味は感激するほどではないですが、十分に美味しかったです。

さて、腹を満たしたあとは、再び街散策です。

古クレーン 街には川が流れているのですが、その脇に一つ古めかしいクレーンが立っています。

中世の昔に荷揚げをするのに使われたといいますが、当然ながら手動。 私の記憶に間違いがなければ、罪人たちがクレーンの中で働いていたとか。

ともあれ、かつての栄華を偲ばせるものといっていいでしょう。

が、繁栄を誇ったリューネブルクも、塩が枯渇し、この地の中心はハノーファーへと移っていくことになるのです。

塩博物館 その反面、かつての美しい街並みがよく保全されて、私が今こうやって楽しむことができるというわけです。

さて、この街には非常に珍しい博物館があります。 おそらくは世界を見渡しても、ここにしかないのではなかろうか、と思ってしまうくらい珍しい。

塩博物館です。

塩の歴史、その製造法など、塩に関するあらゆることを展示しています。

かつて、こんなふうにして塩が運ばれていたかと思うと、なかなか面白いです。

別の場所で特別展示をやっていて、同じチケットで入場できるというので、そちらへも行ってみました。

50年前のドイツ 入ってみると、昭和の香りがする(笑)。

それもそのはず、と言っていいか分かりませんが、50年前のドイツの一般家庭の様子を展示していたのです。

当然ながら、畳ではありませんので、昭和を感じたというのは、ちょっと不思議なのですが、醸し出す時代の雰囲気が一緒だったのかもしれません。

いずれにせよ、生活感に溢れる展示というのは、私には非常に面白く、全く想定外の楽しみとなりました。

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