******世界一美しい炭坑******
デュッセルドルフ近郊に一風変わったfont class="bold">世界遺産があります。
エッセンにあるツォルフェアアイン炭鉱業遺産群です。
世界一美しいとの評判をとる炭坑です。
そう聞くと、一度見てみたくなるのが人情というものでしょう。
デュッセルドルフから車を走らせること、一時間ほどで到着します。
建築様式はバウハウス様式というドイツ生まれのモダン建築が採用されています。
なるほど確かに美しいです。
が、炭坑を見ること自体が初めてなので、特別美しいのかどうかはよく分かりませんが、勝手に抱いていた炭坑のイメージに比べて遥かに美しい建物であることは確かです。
中は博物館になっていて、入ってみました。
炭坑に関する博物館を期待していたのですが、炭坑に関する展示は一部だけで、それは少々期待外れだったと言わざるを得ません。
ここは外を散歩するだけにするのが賢い選択かもしれません。
さて、建物が綺麗に保存されているのは、博物館の周辺だけで、他のところは廃墟のようになっているところもあります。
それはそれで趣があります。
それにしても、非常に広い。
ぐるっと一周するだけで、結構な運動になります。
地元の人の散歩やランニングコースになっているようで、犬の散歩をしている人やランニングしている人を結構みかけました。
しばらく歩くと、面白いものを見かけました。
どう見ても、観覧車です。
労働者達の娯楽にしては、大人しいアミューズメントです。
私なら、乗りたいとは思わない。
不思議です。
それにしても、この炭坑跡を歩いていると不思議な気分がします。
建物は力強さに満ちていて、建物が息づき、今にも大型機械の喧騒が聞こえてきそうな錯覚に陥ります。
でも、実際には林の中にでもいるかのような静けさ。
つい先日までまで活動していた偉大な炭坑の静かな死という言葉が、ここを形容するのに最も相応しい、そんな気がします。
言うまでもなく、ここの炭坑こそが、ドイツの産業を支え続けたルール工業地帯の中心地。
その偉大な炭坑が眠りについたのだと思うと、何やら厳粛な気持ちになりました。