デッサウ(2015年2月8日)
******モダン建築の祖バウハウス******
一風変わった世界遺産がドイツにあります。

バウハウスの建築群がそれです。

正直なところ、ドイツに来るまでバウハウスという名前すら知らなかったのですが、世界の建築史に与えた影響の大きさを鑑みて、 世界遺産に指定されたとか。

バウハウスとは、すなわち建築学校で、ここの教育が世界の建築を一変させたと言われます。

マイスターハウス その一風変わった世界遺産を見るためにデッサウへやってきました。 このデッサウこそ、建築史に冠たるバウハウスが最も長く拠点を置いた都市なのです。

今、この建築をみると、ちょっとお洒落ではあるものの、いたって普通の建築にみえます。

が、ここで思い出さないといけないのは、バウハウスが活躍した時期です。 それは1919年から1933年までの14年間で、鉄筋コンクリートが登場して間もない時期の建物であるということです。

それを思えば、バウハウス建築が今も色褪せずにみえるということに驚かないといけないでしょう。 バウハウス校舎は一般に公開されており、バウハウスに関する常設展示があります。

興味深いのは、彼らは決して建築だけを教えたわけではないということです。 建築を総合アートとしてとらえており、絵画などの芸術もまた重要な科目でした。

バウハウス校舎 現代の大学において、建築学で絵画を教えることは(たぶん)ないことを思えば、未だにバウハウスの考え方は新鮮だといっていいでしょう。 現在も影響を与え続ける教育というのはそういうものかもしれません。

が、惜しいことに、先進的なバウハウスはナチスによって解散させられることになります。

バウハウスで主導的立場にあった人物が共産主義者であったためですが、そのために優秀な教師陣はアメリカなどに亡命しています。

このあたりにも、ナチスがいかに人材を大切にしなかったかということが伺え、それがひいては人の命の軽視に繋がり、 人類史上最大の犯罪を犯すことに繋がったのではないか、という気がします。 バウハウスの建物を見上げながらそんなことを思ってしましました。

その点、バウハウスの教師陣は一個人の力を信じ、教育の力で建築史を変えたわけで、 人を大切にすることの重要さまで、バウハウスは教えているようです。

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