******北ドイツの真珠******
ハノーファーを出た私が次に向かったのが
ツェレです。
ここに向かったのには理由があります。
と書くと、大層に聞こえますが、実のところ地球の歩き方に北ドイツの真珠とあった言葉に
踊らされたというのが真相です。
ツェレに到着したときには生憎の雨。
せっかくカラフルで美しい木組みの家々も、背景が曇り空ではくすんでみえてしまいます。
思ったような写真が撮れず、肩を落とし、ホテルで少し休んでから再び街へ繰り出しました。
雨はまだ降っていたのですが、既に日が暮れていて、街灯に浮かび上がる木組みの家の美しさはなんともいえません。
嬉しくなって、雨に濡れながらシャッターを切ってしまいました。
翌日は、前日の雨が嘘のような快晴。
色が綺麗な被写体にはやはり青空が似合います。
さて、この日、まず向かったのはツェレ城です。
正面から見ると、淡いクリーム色にオレンジの屋根で、どこか童話に出てきそうなお城でした。
さらに側面へ回ると、馬と少年の像があります。
ここに馬の像があるのには、ちゃんと理由があります。
ツェレはハノーファー種という軍馬の産地なのです。
王国でもあり、イギリス王家を輩出したハノーファーの軍事力を支えたのが、まさにここの軍馬というわけです。
さて、すでに述べたように、ツェレの特徴はカラフルな木組みの家です。
私見をいえば、ディンケンスビュール、ツェレ、クヴェトリンブルクが三大木組みの街という気がします。
木組みの家の多さという点では、クヴェトリンブルクに及びませんが、美しい木組みの家が一所に集まっているという点では、
ツェレのほうに軍配が上がるかもしれません。
ドイツの木組みの家というのは、日本と違い、骨組みがなく、箱を積み重ねたような構造をしているので、
上の階の方が大きいということがよくあります。
なんでも、1階の面積で税金が決まっていたせいで、1階は極力小さくしたとか、何かの本で読んだ覚えがあります。
それにしても、ここツェレは露骨に上が大きくなっている家が多い。
上が異常にせり出している姿というのも可愛いもので、それがまたツェレの街の魅力の一つになっているようです。
晴天に喜びすぎて、少々予定より長居をしてしまい、予定の電車を逃してしまいました。
このときは分かっていなかったのですが、さほど交通の便がいいとはいえないツェレで一本逃した影響は予想以上に大きく、
次の目的地リューネブルクでの滞在時間に大きく響いてしまったのでした。。。