デュッセルドルフ・カーニバル(2015年2月16日)
******ローゼン・モーンターク・ツーク******
カーニバルのハイライトはローゼン・モーンターク、日本語訳で薔薇の月曜日と呼ばれる日。

別に祝日でもなんでもないのですが、カーニバルの盛んなデュッセルドルフ近郊の会社はこぞって休みになります。

カーニバルが盛んな地域の会社に勤める人だけが享受できる休みです。

デュッセルドルフ・カーニバル@ ローゼン・モーンタークのカーニバルを楽しめるのは、たったの一都市。 どう考えても、選択肢は地元デュッセルドルフしかあり得ません!

この日、子供たちは袋をもって、パレードを待ちます。

パレードから、雨霰とお菓子が降ってくるので、それを競って集めるのです。

会社の同僚によると、翌日学校で戦利品の多さを競うので、子供も親も必死だとか。

デュッセルドルフ・カーニバルA ところで、カーニバルには仮装してくるという習慣があります。 いや、会社の同僚によると、仮装しなければならない、とか。

私もスーパーで買った銃士隊のコスチュームを身にまとい、準備万端、街へ繰り出しました。

寒いので、中にガウンを着込んで、スマートさなど、かけらもない銃士隊でしたが。。。

周りをみると、海賊や魔女、妖精に、動物の着ぐるみなど、なるほどそれまでの2日間とはまるで気合いが違います。

デュッセルドルフ・カーニバルB 私のようにちょこっとコスプレではなく、靴から小物、メイクまで完全コスプレという相当なクオリティの人もそこそこいます。

ところで、より正式にはカーニバルの始まりは11月11日の11時11分

カーニバルの聖霊が目覚めて、カーニバルがスタートするとされています。

カトリックのお祭りとされているにも関わらず、聖霊が登場するなど、土俗信仰の影響があるように感じます。

宗教を広める際に、土俗信仰を取り込んでしまうというのは、よくあることで、これもその名残ということかもしれません。

デュッセルドルフ・カーニバルC ともあれ、11月に開幕したとはいえ、2月までほとんどイベントはなく、女たちのカーニバルと呼ばれる木曜日になって、事実上カーニバルが開幕します。

この日は女性たちの天下で、男どものネクタイを切ってまわるとかいう習慣があるらしく、私も会社で見事に切られました。

また、いい男を見つけたら、自由にキスをしてもよいことになっているらしいのですが、残念ながらその対象にはなりませんでした。 ドイツ人女性は見る目がない(笑)

金曜日は小休止して、土日と徐々に盛り上がり、ローゼンモーンタークの月曜日に最高潮を迎えるわけです。

デュッセルドルフ・カーニバルD このローゼンモーンタークに大きなパレードが催されるわけです。

その名もローゼンモーンターク・ツーク。 ツークとは、山車のことです。

山車といっても、日本のだんじりや、くんちのように人が曳くわけではありません。

そこは車王国ドイツ。 山車を曳くのも車です。 まるで、ディズニーのパレードを見ているようです。

歴史ある行事に車が登場するというのは、私からすると非常な違和感を感じますが、合理性を重んじるドイツらしいといえるかもしれません。

デュッセルドルフ・カーニバルE この山車は社会風刺がきいたものが多いと聞くのですが、ドイツ語が分からないと、何を皮肉っているのか、よく分からないのが残念です。

ギリシャの債権問題を皮肉っているらしき山車が来たときは、周りから拍手が沸き起こりました。

皮肉の中身は分かりませんでしたが、ドイツが何故ギリシャを助けないといけないのか?という世論がそれだけ強いということでしょう。

ところで、カーニバル時期だけ特有の挨拶があります。

ヘラオ!という挨拶がそれです。 実はこの挨拶、デュッセルドルフとケルンで違うらしいです。

デュッセルドルフとケルンのライバル意識がこんなところにも現れているのかもしれません。

デュッセルドルフ・カーニバルF ただの挨拶のはずなのですが、パレードを見ている人がこの言葉を発すると、お菓子をねだる言葉のように聞こえるから不思議です。

いや、実際、お菓子がなかなか自分のところに飛んでこないと、語調が強くなるので、本当にそういう意味が込められていたかもしれません。

一方、山車の上の人達は手を振りながら、ヘラオ!

それにしても、このパレード、長いです。 この季節まだまだ寒いので、後半になると凍えてきます。

ドイツ人の同僚に言うと、酒を飲まないからだよ、と言われました。

なるほど、あちこちに酔っ払いが多いのは、寒さを凌ごうとして、飲み過ぎてしまったということでしょうか。

デュッセルドルフ・カーニバルG ドイツ人に言わせれば、それはただ飲みたいだけだということでしたが。。。

ちなみに、二日後の灰の水曜日に、騒ぎ過ぎた責任を藁人形に転嫁して、こいつが悪かったと、この人形を燃やして、神に許しを乞うのだとか。

なんと都合の良い。。。 いや、合理的というべきか。

ところで、カーニバルとは本来謝肉祭。 カーニバルからイースターまでの間、肉を絶つので、その前に大騒ぎをするというのがカーニバルの本来の姿です。

が、現在、本当に肉を絶つ人はほとんどいないらしいです。

ところで、私は積極的にお菓子を集めなかったにも関わらず、かなりの量を集めてしまいました。 私の消費量なら一年間は大丈夫そうです。。。

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