ホーエンツォレルン城(2015年1月3日)
******プロイセン王家発祥の地******
ドイツの名城といえば、真っ先に上がるのがノイシュヴァンシュタイン城でしょう。 が、それと並び称される城があります。

黒い森に位置するホーエンツォレルン城がそれです。

ホーエンツォレルンの名に聞き覚えのある方はドイツ史に詳しい方でしょう。 ドイツ統一を成し遂げたプロイセン王家こそが、ホーエンツォレルン家なのです。

その名を冠するこの城は、この王家発祥の城。 歴史的重要性に関しては、ノイシュヴァンシュタインなど、遠く及びません。

もっとも、この城は、ノイシュヴァンシュタイン城と同じ頃に再建されていますので、城そのものは新しいものです。

それでも、ノイシュヴァンシュタインが夢の中のお城のようであるのに対し、このホーエンツォレルン城は尚武のプロイセン王家の城らしく、無骨な構えになっています。 私の好みでいえば、ホーエンツォレルン城のほうに軍配をあげたくなります。

ホーエンツォレルン城@ さて、この城は私がドイツで必ず訪れたいと思っていた場所の一つです。 交通の便が悪いのが玉に瑕ですが、幸いに私には車があります。

ハイデルベルクに前泊して、この憧れの城へと向かいました。 約二時間というところです。

南に下るほど、山が多くなり、寒くなるというのがドイツの特徴ですが、案の定、ホーエンツォレルン城の周りはすっかり雪に覆われていました。

城は山の上。 駐車場からは、徒歩でも上がれるのですが、道が凍りついてとても上がれるような状態ではありません。 有料のシャトルバスで登りました。

さて、内部の見学はガイドツアーになります。 英語のツアーもあるのですが、タイミングが悪く、ドイツ語のツアーに参加しました。

いや、実をいうと、ガイドツアーのチケットを買ったのかどうかよく分かっていなかったのですが、内部の入口でチケットを見せてみると無事参加できたという次第でした。

内部は残念ながら撮影禁止でした。

ホーエンツォレルン城A 入ってすぐに、家系図が描かれた部屋があります。

シュヴァーベン地方の小さな国の領主だったホーエンツォレルン家が、ニュルンベルク伯となり、ブランデンブルク選帝候(本拠地ベルリン)、プロイセン王と歩んでいった歴史がそこにありました。

もっとも、発祥の地であるこの城を領していたのは、プロイセン王家の家系ではなく、別系統のホーエンツォレルン家で、それもこの家系図にみることができました。

但し、再建を決めたのはプロイセン王家のフリードリヒ・ヴィルヘルム4世です。 荒れ果てた父祖伝来の城を見て、心を痛め、再建を決意したと言われています。 建設は1867年。もはや城が意味をなさなくなった時代のことです。

彼は建設が止まっていたケルン大聖堂の建築を再開させた人でもあります。 建築に対する興味が強かったのでしょう。

ホーエンツォレルン城B そういえば、ノイシュヴァンシュタイン城を建設したことで有名なバイエルン王国のルートヴィヒ2世も、同時代人です。 彼はフランスのルイ14世に憧れていたと言われていますが、絢爛たる建築物を多く持つ隣国フランスやオーストリアに対する憧れが 当時のドイツに共通してあったのではないかと思ったりもします。

外見がすでに魅力的な城ですが、中身も相当に見応えがあります。 宮殿ではなく、城として建てただけに、過度に華やかなことはなく、ほどよく豪華というのがいいです。

ところで、この城、今もプロイセン王家の子孫が今も所有しています。 私が断片的に聞き取ったドイツ語を繋ぎ合わせて理解したところによると、彼らは今も実際に住んでいて、 ただし冬の間だけは寒いので、余所に避難していると言っていたように思います。

そう。ここは山の上。寒いのです。 プロイセン王家の子孫が避難するほどの寒さを甘くみていたと言うべきでしょう。 翌日、妻が風邪で倒れてしまう事態になってしまったのでした。

ホーエンツォレルン城C が、この時点では、そんな事態を予想するはずもなく、寒さに凍えながらも、二人元気に城の内部を観光していました。

さて、このツアー最後の見所は、プロイセン王の王冠でしょう。

私はイギリス王家の王冠もロンドンで見ましたが、それに比べれば遙かに質素で、それでいて気品を感じさせるこの王冠は、 プロイセンらしさがよく現れた王冠のように感じ、私には非常に好ましかったです。

さて、城の観光を終えて、車を走らせていると、城の全景が見えたので、車を脇に停めて、カメラをパシャリ。

ところでガイドブックなどでみる写真はやや上から見下ろすように撮っていて、非常に美しく、私も同じような写真を撮りたかった のですが、いったいどこに行けばそんな写真が撮れるのか全く分かりませんでした。 別の山から超望遠レンズで狙うか空の上から撮るか、しかあり得ないように思ったのですが、果たしてどうでしょうか。

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